なぜ、ラテン語版なの?原語は何?
新約聖書の原文は、ギリシャ語です。
しかしローマ以西の世界では、聖書はラテン語で普及しました。
それで、マニフィカトの名曲の歌詞も、
(原語のギリシャ語じゃなくて)
ラテン語訳のものを使っているのです。
なぜ、ラテン語訳なの?英語とかドイツ語じゃないの?
ここで、新たな疑問が出てくるかもしれません。
「なぜドイツ人やイギリス人の作曲家が
ラテン語の歌詞に曲をつけたのか?」という疑問です。
これは、宗教改革史とも絡む問題で、話すと長くなります。
まあ差し当たって、こう考えておきましょう。 カトリック教会では、宗教改革の時期以降もラテン語の儀式が残った。 日本の仏教で言えば、お経みたいなものですね。 あれ、漢文を音読みしてるわけですから。
それに対して、プロテスタント教会では、 地元の言語で宗教儀式を行うようになった。 プロテスタントって、宗教改革でカトリック教会を批判した人達でしょう? その批判点の一つに、「地元民に解んないラテン語じゃなくって、 地元の言葉で儀式をやろうや」ってのがあったからです。 でも、長くラテン語で続いてきた歌詞は、 そのままの習慣を維持して残ったものもある、 というわけです。