ヘドウィグアンドアングリーインチ

本当に「見てよかった」と思った映画でした。

普段の生活では自分で自分の顔って見えないじゃないですか。
でもヘドウィグがスクリーンいっぱいに悲しみをたたえた表情をしているのを見て、あぁ私もこんな顔してたのかなって思いました。
だから彼女が空回りした状況の中で吠えれば吠えるほど痛々しかった。
そしてラスト。それも安い感動のラストじゃない。
最後までどんでん返しがあってあのラストっていうのが良かったですね。

ヘドウィグが裸で歩いていく場面 。
男だとか女だとかじゃないニュートラルな状態。
ヘドウィグはヘドウィグである。
おそらくこれから先も彼女の人生は決して平坦ではないでしょう。
しかしヘドウィグは裸で歩いていった。
「男」「女」ではなく「ヘドウィグ」というアイデンティティで、その身ひとつで道を歩んでいくのだと思います。

天上天下唯我独尊!

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