旅行

文学

美術

音楽

宗教

パソコン

海外旅行


トップページ 湯河原梅林 メニューに戻る

藤村の詩碑
藤村の詩碑

 真鶴半島で浅い春の半日をすごしたのち、JRで次の湯河原駅に行きました。湯河原・万葉公園下の旅館で一泊し、古来多くの文人に愛されたこの地の温泉を楽しみました。

詩人・作家の島崎藤村も湯河原によく来ましたが、その際は今回私どもが宿泊した旅館を定宿としていたそうです。

旅館の玄関先に、藤村が自分の詩の一節を墨書した詩碑がありました。 『夜明け前』 を執筆中に藤村はしばしばここを訪れましたが、その間に若菜集の中の詩 《潮音》(しおのね) を書いたものだそうです。

ゴンドラ
内村鑑三の書

 内村鑑三は、札幌農学校で「少年よ、大志を抱け」で有名なクラークの教えを受けてクリスチャンになり、やがて無教会論のキリスト教学者、非戦論者として有名になりました。

内村鑑三も湯河原によく来たようで、この旅館に左の写真の額がありました。鑑三は、実生活の上では窮乏も経験したといわれますが、左の書はキリスト者として毎日を生きる気合を感じさせます。

湯河原は海も近く、干物が名物です。そのおいしい干物で朝食をした後チェックアウトして、湯河原駅行きのバスに乗りました。

湯河原・幕山梅園
土肥実平夫妻像

 JR湯河原駅前広場内に、源頼朝の家臣 土肥実平夫妻の像が立っていました。このあたりは、かつて実平が屋敷を構えた地であったとのことです。

1180年に源頼朝が伊豆で平家打倒の兵を挙げたとき、実平は嫡男遠平とともに頼朝の許に馳せ参じました。以後、実平は頼朝を助けて大いに働き、平家追討の戦いその他の合戦で日本中を駆けめぐりました。

土肥実平夫妻像の横には、「土肥氏館址」と刻まれた石碑もありました。現在でも、ここには土肥の地名が残っているとのことです。

深い渓谷
幕山に向かう

 湯河原駅から西に向う鍛冶屋行きバスに乗り、15分ほどで終点の鍛冶屋に着きました。ここから10分あまり幕山という山に向かって歩きます。

幕山の裾を流れる新崎川という清流に沿って、ゆっくりと山道を登っていきました。渓谷の中には、左の写真のように、大きな岩がごろごろとしていました。
この川の上流には相当深い山になっていて、ヤマメ、マスの釣場があるそうです。

この周辺は四季を通じてさまざまな花が咲くそうですが、2月中ごろは緑の気配もなく、時折ウグイスの声が聞こえるだけでした。

富士山を望む
湯河原・幕山

 湯河原駅の西、新崎川の上流にそびえる幕山は、海抜626m、なだらかな頂上とその下の柱状節理の岩壁が特徴です。

新崎川に沿って山道を登って行くと、早春の空をバックに幕山の全容が見えてきました。幕山の大岩壁は、ロッククライマーの練習場としても人気の場所だそうです。

幕山のふもとに造成された広大な梅林には、各種の梅が4、000本も植えられています。梅林が造られたのはそれほど古くないそうですが、梅林の大きさは有名な熱海の梅林をはるかにしのぐということです。

温泉卵1
湯河原梅林

 この湯河原梅林では、毎年1月末から3月はじめまで「梅の宴」というイベントが開かれます。その時期は普通200円の入場料が必要なのですが、私どもが行ったときは、梅の開花がやや遅れているとのことで、無料で梅林に入場できました。

2月末から3月初めまでは、梅林がライトアップされ、夜の梅見が楽しめるそうです。

まだ早春のことで、山全体が梅の花盛りとまではいきませんでしたが、梅林の中に入って行くと、早咲きの梅の木にはもうたくさんの花が付いていました。

岩屏風の前の梅
岩屏風の前の梅

  これだけたくさん梅が咲いていると、梅林全体にふくよかな梅の香がただよいます。幸い春本番を思わせる快晴無風の天気に恵まれ、方々の梅の花を愛でながら、梅林内の山道を登っていきました。

左の写真の紅梅は、早春にいち早く元気に咲き始める種類だと思います。私の家の近くにある世田谷区駒沢公園の梅林でも、この梅の花が見られます。

この花は、ものの本で調べると「富士梅」という早咲きの梅に似ていますが、そうでしょうか。幕山の岩屏風の前で、早くも五分咲きになっていました。

紅梅
紅梅

 こちらの紅梅は、上の写真の紅梅より花のサイズが大きく、色はやや薄いようです。さまざまな種類があるものです。
梅林は、お客様に長期間にわたって梅を楽しんで盛るために、早咲きから遅咲きまでいろいろの種類を取り混ぜて植えています。

これもものの本で調べると、「楊貴妃」という紅梅と花の形がよく似ていました。読者の皆様の中に梅の花に詳しい方がいらっしゃったら教えてください。

上々の天気のお昼前後のことで、だいぶ気温が上がり、見ている間にも梅の花がどんどん開いてゆくように思われました。

白梅
白梅

 写真の白梅も、他に先駆けて咲く品種のようで、この時期に方々で見られます。
これもものの本で調べると、「冬至梅(とうじばい)」 という梅の花と似ていました。東京・湯島天満宮にもあるということです。

この白梅の下に腰を下ろし、馥郁たる梅が香の中、暖かい日差しを浴びながらあたりを見回しました。眼下、東の方向は大きく開けており、はるか湯河原方面が春霞の中にあります。

幕山の山頂からは、遠く東に房総、西に伊豆半島が展望できるそうです。

満開の梅林
満開の梅林

 梅林を降りたところに公園があり、売店や食堂もあります。今回はまだ梅が開花したばかりでしたが、この公園には2月末ごろ梅が満開になったときの写真が展示されていました。

左の写真のように、幕山中腹の岩壁のあたりまで、白梅、紅梅、ピンクの梅で埋め尽くされるようです。そのシーズンには4、000本の梅が一度に咲くのですから、すごい景観になるでしょう。

ぜひいつか、梅が満開になる時期にまたこの湯河原梅林を訪れて、4、000本の花の洪水を楽しみたいものです。

トップページ メニューに戻る