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 皆様は、NHKテレビの天気予報の時間で、「各地の気温」をご覧になっているでしょうか。その画面で、関東地方で夏最も気温が低く、冬最も気温が高いのが、千葉県最北部の都市銚子です。たとえば夏では、東京が32度のとき、銚子は27度ぐらいのことが多いようです。
その理由は、関東の地図を見れば、一目瞭然です。千葉県東北部、茨城県東南部は半島のように東に突き出していますが、銚子はその突端にあって、巨大潮流黒潮の中にどっぷりと浸っています。そのため、銚子の気候は年間を通じて寒暖差の少ない典型的な海洋性気候になっているのです。
概して夏の暑さに弱い私は、かねてより、テレビの「各地の気温」を見て銚子の夏に関心を持ってきました。

銚子電鉄ホーム
銚子の夏

 とりわけ暑さの厳しい今年の7月末、銚子の夏を体験すべくJR総武本線の特急で銚子に向かいました。

銚子には「銚子電鉄」というミニ電車があります。チンチン電車が大好きな私どもは、それを利用して、灯台があるので有名な銚子の名勝犬吠埼に行くことにしました。

JR総武本線の銚子駅に着いてホームに下りると、そのホームの端に風車のついたおもちゃの家のような可愛らしい小屋がありました。これが、銚子電鉄の待合室兼切符売り場です。

銚子電鉄の車両
銚子電鉄の車両

 しばらくその待合室で休んでいると、3両編成のミニ電車がホームに到着しました。

赤く塗られたかなりクラシックな車両で、どこかで見たことのあるような格好ですが、東京の都電の系統ではないようです。

車掌さんに尋ねると、昔の東京の地下鉄に使われていたものだそうです。JRや全国の電鉄から第一線を退いた車両を譲り受けて、銚子電鉄の軌道に合わせて改造し、整備し直して運用しているとのことです。

東急世田谷線も、つい最近までやはり方々の電鉄車両のお古を使っていました。

遊覧車
オープン遊覧車

 到着した電車は、3両編成のうちの1両がご覧のような開け放しの遊覧車で、外側は波の模様が塗装されています。

このオープン遊覧車は夏季だけ運行しているとのことですが、東南アジアかアフリカの電車のような開放的な雰囲気で、大好評だそうです。私どももそのオープン遊覧車に乗り込みました。

当日は東京では35度にもなった暑い日でしたが、さすが気温の低い銚子のことで、このオープン遊覧車の中は涼しい風が吹き抜けて大変快適でした(^_^)。

銚子電鉄のホーム
銚子電鉄のホーム

 銚子電鉄の駅は、無人駅も多く、ご覧のようにローカル色豊かです。途中の観音駅の駅舎にはタイ焼き売店があり、車掌さんか運転手さんに代金を渡しておくと、その観音駅で焼きたての鯛焼きが入手できます。

私どもが運転手さんにタイ焼きを予約したところ、運転手さんが運転中に電車の無線でお店に連絡してくれました。
お店から承りましたという返事がくると、運転手さんが運転中に振り返って、私どもにOKサインを出しました。
やがて、その駅であつあつの鯛焼きをもらって電車の中でいただきました(^_^)。

野菜畑の中

 銚子は、年間を通じて穏和な気候を生かして、各種野菜の生産で有名です。銚子電鉄は、その広大な野菜畑の中を、半島の突端にある犬吠埼に向けて進行します。

この銚子では、年中新鮮な野菜・果物が食べられます。また銚子は日本有数の漁港ですから、当然新鮮な魚が手ごろな価格で手に入るでしょう。

その上、東京と比べれば断然夏は涼しく、一方冬はとても温暖です。この地に住んでいれば、長生き間違いなしというところでしょう。

野菜畑の中

林の中
林を抜けて

 電車が進行して犬吠埼に近くなると、あたりは畑が少なくなり雑木林が広がります。
銚子電鉄は、ところどころで左の写真のように林の枝をかき分けるようにして進行します。オープン車両なので、木の枝が車両の中に入ってきそうになります。

上記のように銚子は野菜の産地ですが、果物はどうなのでしょうか。
果物は、年間の寒暖差、一日の寒暖差が大きいほうがおいしいものがとれるそうです。となると、人間にとって住みやすい銚子は、果物の生産にはやや不利ということになるのでしょうか。

犬吠駅

 灯台のある犬吠埼に行くには、犬吠駅で下車します(銚子電鉄の終点はその先の外川駅)。観光の中心である犬吠駅は、沿線ではもっとも大きい駅で、駅舎はどこかイスラム教のモスクを思わせるようなきれいな建物です(下の写真)。

駅舎の外には、この電鉄での勤務を終了した車両が、真夏の強い日差しの下、静かに余生を過ごしていました。大正14年7月に電化が完成し電車運転を開始 したとのことですが、そのころの車両でしょうか。ゆっくりとお休みください。

犬吠駅

ぬれせんべい
ぬれせんべい

 銚子電鉄はある建設会社の系列会社でしたが、その建設会社が平成10年に倒産してしまいました。
しかし、沿線住民のかけがいのない交通手段である銚子電鉄をストップさせるわけには行かないので、現在は千葉県と銚子市が補助金を交付して電鉄の運行を継続しているとのことです。

電鉄会社も必死のサバイバル作戦を展開しており、さまざまな副業で収入アップを図っています。犬吠駅の中には「ぬれせんべい」の製造販売店があり、乗降客の目の前でプンプンといい匂いをさせています(^_^)。

電鉄の線路
電鉄の線路

 犬吠駅で下車して駅の外に出ると、踏切のところで銚子電鉄の線路がまっすぐに伸びているのが見えました。
銚子電鉄は単線運行なので、二本のレールが夏野菜の畑の中を終点外川駅に向かっています。

NHKテレビの「NHK俳壇」で、次の素晴らしい俳句を目にしました。ここに掲載する許可を得ていませんが、何卒ご容赦ください。

  どこからも
      渡れる線路
          青き踏む NHK俳壇

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