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円通院山門
円通院

 松島海岸の古刹瑞巌寺に参拝した後、瑞巌寺の西に隣接する円通院に向かいました。円通院は、瑞巌寺と同じく臨済宗の禅寺で、瑞巌寺の塔中にあたります。

伊達政宗の孫光宗公が亡くなった後、その菩提寺として創建されたとのことです。

円通院の入口にある山門(左の写真)は、素朴な茅葺の薬医門で、松島町の文化財に指定されています。これを見て、東京都・深大寺の茅葺の山門を思い出しました。

円通院の石庭
 山門から、まっすぐな参道が境内の中に伸びています。その左側には、白い小石を敷きつめた中に大きな岩を配した石庭が造られてありました(下の写真)。この石庭は、松島湾の海とそこに浮かぶ七福神の島々をイメージしたものだそうです。

石庭の白い小石の平面、そこに浮かぶ大きな岩々と、それらの外側に拡がる緑の苔庭との対比が印象的です。

円通院

円通院の境内
 円通院の境内は、うっそうと木が繁る裏山を背にしています。境内の木々と裏山とが一体となり、境内全体が深山の中に置かれているように感じられます。

東北の地松島海岸もようやく新緑の候となり、落葉樹の瑞々しい若葉に心も洗われる思いでした。この境内は、秋が深まると見事な紅葉の景観になるので有名です。その時期には、境内の方々で夜間のライトアップが行われるということです。

円通院

境内で一休み
境内で一休み

 この近くには東屋があり、その中には茶室もあるということです(上の写真右側)。

境内のところどころに赤い毛氈をかけた長床机が置かれており、その上には野点傘がかけられていました。私どもも、その長床机に腰を下ろして一休みしました。

この境内ではカメラを持った外国人観光客を何人か見かけました。円通院は、禅寺といっても宗教感はさほど強くなく、陸奥の静かな名勝として有名になっているようです。


三慧殿(さんけいでん)
 伊達光宗公は、伊達藩の二代目藩主忠宗の次男で、伊達政宗の孫に当たります。光宗公は、幼少から非常に優秀な方だったため江戸幕府から警戒され、19歳のときに毒殺されたといわれます。

境内のもっとも奥の山際にある三慧殿(下の写真)は、その光宗公を悼む霊廟で、江戸時代初期の1647年に建立されました。宝形造茅葺きという造りの美しい建物で、国の重要文化財に指定されています。

三慧殿は、高い床の上に建っており、左右対称の屋根の流れるような線が印象的でした。裏山の瑞々しい新緑に溶けいるように置かれている三慧殿の前にたたずんで、しばらく伊達光宗公の霊安からんことを祈りました。

三慧殿

伊達政宗は、スペインと通商を開きたいと考えて、1614年に藩士支倉常長を中心とする「慶長使節団」をヨーロッパに派遣しました。常長は1620年に帰国しましたが、その際ヨーロッパからバラの花を持ち帰ったといわれます。

三慧院の厨子
三慧院の厨子

 その27年後に建立されたこの三慧院の内部には光宗公の騎馬像などを納めた厨子(左の写真)が置かれてありますが、その扉の内側には常長が持ち帰った西洋のバラが描かれているそうです。

このようにバラの花と縁があることから、円通院の境内には禅寺には珍しくバラ園が造られています。バラの手入れをしていた人に聞くと、この地ではバラの花期が東京より2ヶ月ほど遅れるとのことでした。


大悲亭
大悲亭

 光宗公が江戸滞在時に使用した納涼亭が、後に当寺境内に移築され、大悲亭と名づけられました。寄棟造り、茅葺屋根の田舎家風の造りで、松島町指定文化財になっています。左の写真は、宮城の寺院一覧のご好意で転載させていただきました。

現在の円通院では、この建物が本堂の役割を果たしています。大悲亭の中には自分で数珠作りを体験できる部屋があり、参拝者の人気を呼んでいるということです。

聖観世音菩薩座像
 大悲亭の外から、内部に安置されている本尊「聖観世音菩薩座像」を拝観することができました。鎌倉時代に造られた傑作とのことで、四段の鱗型蓮台に高々と坐して、左手には蓮華のつぼみを持っている姿でした。蓮華のつぼみは、弱冠19歳でこの世を去った光宗公を悼むかのように感じられました。

大悲亭

円通院の庭園
 円通院本堂の前には、築山と庭池を中心とした見事な庭園があります(下の写真)。1660年ごろに江戸時代の造園家として有名な小堀遠州が造ったものといわれます。
築山のほうは、観音菩薩が降り立ったとされる補陀落(ふだらく)山をイメージしたものだそうです。一方、庭池は「心」という文字の形に造られており、心字池と呼ばれます。

私どもが行ったときは、心字池ではかきつばたの花がちょうど満開となり、池の静かな水面に花の姿が映っていました。本堂の前に立ち、その池越しに瑞々しい新緑に包まれた築山を見上げました。

円通院の庭園

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