本格的な春のおとづれをいち早く告げる花といえば、まず梅ということになりますが、その梅には早咲き、遅咲きの2種類があります。
早咲きの梅とほぼ同時期に咲くのが、福寿草です。一面の枯野原の中から突然力強い花芽を突き上げ、その先に寒さを吹き飛ばすように鮮やかな金色の花をつけます。
福寿草よりやや遅れてサンシュユとミモザがやはり金色の花を咲かせますが、これらが出揃うのを見て早春の到来を実感します。
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今年は暖冬だったようで、これらはいずれも例年よりかなり早く咲き始めました。
世田谷区の花壇公園フラワーランドに久しぶりに行ったところ、思いもかけず、公園の隅に一むらの福寿草が力強く咲き誇っているのを見つけました。
福寿草の金杯のような花が、最近青さを増した早春の空に向かって勢いよく開いていました。
青空に
金杯向ける
福寿草 |
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小田急線梅が丘駅前にある羽根木公園は、都内有数の梅の名所です。毎年2月の中旬から、この公園で梅祭りが開かれます。 有難いことに、私どもの家からこの公園までは歩いていけるので、毎年楽しみにしています。
羽根木公園の中には、俳人中村汀女の代表句
外にも出よ
触るるばかりに
春の月 中村汀女 の句碑があります。この句碑も、しだれ梅の花の下に静かにたたずんでいました。 |
中村汀女は、俳句を現代の女性の間にこれだけ普及させた功労者の筆頭といえましょう。汀女の俳句は、上の作品に見られるように、女性らしい繊細で気品のある表現と暖かい叙情性に特色があります。
汀女は世田谷代田に住んでいたので、その近くにあるこの公園の中に句碑が建てられたということです。
公園内には、梅の花の馥郁たる香りが漂っています。その中をゆったりと散策しながら、頭に浮かんだ俳句を句帳に書き留める人々がかなりいらっしゃいました。
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少し前に私の生地(千葉県九十九里地方)に帰ったとき、水田の横の枯野原で野焼きをしているのを目にしました。
農家の男性が、灯油と思われる燃料のタンクを背負ってバーナーで枯れ草に野火を点けながら歩き回っていました。
このように野原の雑草を焼くと、草原の害虫の卵などが焼き払われ、その後の季節で周辺の作物への虫害が軽減されます。 また、焼いた雑草の灰により地味が豊かになって作物のできがよくなるということです。 |
半面、広い枯野原に火を放つのは作業者にとって大変危険なことでもあり、大規模な野焼きの際は土地の消防署の協力を仰ぐことが多いようです。 インターネットを検索したところ、成瀬桜桃子(なるせ・おうとうし)さんの次の俳句が見つかりました。
野火点けて
縄文の声
放ちけり 成瀬 桜桃子
桜桃子さんは、久保田万太郎門下の俳人で2004年に亡くなられたそうです。野火の炎が上がる中、農家の男たちや消防団員が大声を上げながら走り回る様子が、実に力強く詠まれているではありませんか。 |
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