オルゴール音質改善プロジェクト(第三回)

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2004.8.30 第三回 カードに不審なヘコミ???。

今回も音質にはほとんど関係ないですが 薄い紙を使ってカードを作って演奏すると なんだかわからないけど 紙に「へこみ」ができたり、そこで穴もないのに音が鳴ってしまったり.... という現象に悩んだ方がいらっしゃるのではないでしょうか。 どうも 特定の音程(トラック)にだけ起きるようです。 今回はこの現象にスポットをあててみたいと思います。

はじめに

 カード式オルゴールにする紙 私が推薦しているのは135kgの上質紙 最近推奨されはじめた?紙は マンガ用紙 とにかく純正の用紙(赤いストライプのやつ)にくらべると薄いんですね。 どうもこれが災いしているのか 演奏中にカードにへこみができてしまうことがあります。 まったく問題なく へこみが出来ないメカもありますけど。 不幸にしてこれが起きるメカですと とめどなく起きてくるという寂しい状態に陥ります。
 まあ 裏面にセロテープでも貼って補強すれば 当面はいいわけですが 情けないことにまた別の場所で起きてきます。 なんだか迷惑なゾンビのように....
 よく見ると 特定の音(トラック)にだけ発生するようです。 なんと憎たらしいことか。 純正のカードを使っていると この問題は起きない(叉は非常に起きにくい)ようです。 うーん 純正品を使わないからバチがあたったのか.... とも思います。

カードに裏面にできた「へこみ」

へこみは なぜできるのか?

 へこみ は演奏するとできるようです。 まずこの図を思い出してください。

 見ていただきたいのは左の「待機」状態の絵です。 ツメのついた鋼鉄のスターホイールが カードの下面(裏面)でツメがずーっと滑っているのがお分かりになるでしょう。 ツメがカードの下面をおとなしく滑っていてくれる内はいいのですが ひょんなことでツメがカードの下面に「くいこんで」しまうことがあるわけです。 全てのスターホイール(音程)で起きるわけではなく 1つのスターホイールの 4つあるツメの内の1つで起きるようです。(もちろん複数でおきることもあり得ます。)

 上の図のようにスターホイールの「ツメ」はあまり真面目に研摩されているわけではないようで 中には多少バリのように乱れているものがあるようです。 不幸にもこのようなツメをもつスターホイールですと 長く紙(カード)が滑っていると 不意に食い込んでしまうことがあります。 よく観察すると カードの演奏用の穴4つを経た後に 「くいこみ」が発生しているようです。(確証はありませんが)

じゃあどうすればいい?。

 まずは カード下面とスターホイールのツメの「すべり」をよくする必要があります。 スターホイールのツメの部分にグリスなどを散布してやる方法があります。 ただし、カードにもグリスが付着してしまいますし、カードのスリップの原因にもなりますので ほどほどにする必要があります。

 根本的に修理するには 問題のスターホイールのツメを研摩してやる必要があります。  私は目の細かいサンドペーパーでよく磨くようにしています。 あまりにもバリがひどい場合は ハンドルーター(回転やすり)を使って削り込むこともあります。 いづれにしてもスターホイールがくし歯を弾く場合の音にも影響しますので慎重に行う必要があります。 最後はかならず#1500程度の細かいサンドペーパーで磨いておくことが大切です。 スターホイール自体は焼き入れを施してはいないので比較的楽に研摩できます。 私は12倍程度のルーペでよく観察しながら慎重にやっています。 自信がない場合は私がやって差し上げることもできますので お問い合わせください。

 最近のオルガニート(三協精機 TDM202)は どうもこのスターホイールのツメの研摩が甘いようで このような現象が多発する傾向にあります。 もっとも純正のカードでは発生しにくい現象なのでメーカーに責任を問うのはおかど違いでしょうが。 もう少しなんとかならないものかと思います。

 

では次回をお楽しみに

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