展覧会案内・Exhibition Information


浅井 昭 展

2001年7/5(mon.)〜7/21(sat.)
11:00〜19:00(最終日17:00まで)


祭の遊と色

浅井昭さんの制作を見ていると、今や古びた言葉となった゛芸術″とは、何だろうと、あらためて考えさせられる。古典古代の理想美の追求からルネサンスの人間美の儀式へ、さらに近代の内面精神の表現へと美術の形式は発表してきたが、それらはつねに職人的技術と科学的知識に裏付けられてきた。まるでそれとは無縁のような天才の閃きや、情念の直接の投映のような表現活動は今でもあるが、浅井さんはいつも思考と計算に基づいたプランを玄人の手仕事で具体化させる造型をつづけてきた。精神的表現と装飾的表現の多寡は、芸術と工芸や芸能の分類の尺度になるほどである。未熟な芸は、不快感を与えて飽きられる。非の打ち所がない仕上げと造型は人工美の模範だが、それは芽吹き、生長し、色づき、やがて枯れていく自然美とも、見る者の想像力の中で絶えず変容開花する精神の胚とも違い、古びて劣化する不安につきまとわれる文化財の固定美である。
浅井さんの「花魁」は偽の楽器である。本物と見まごううばかりに美しく。見事な出来栄えなので思わず笑ってしまう。浅井さんの狙いにはまってしまう。これは楽を奏でるための道具ではない。どこかいびつで愛嬌がある。その憎めない偽のかたち、そのとぼけたアンバランスが一見スマートな姿で花魁に化けてすましているところが、現実とは異なる浅井さんの芸であり、そこえ浅井さんは楽を奏でている。浅井さんは陰で祭りを仕掛けてほくそ笑み、客を呼び込んで思い思いに頭の中で演奏させようと目論んでいる。
浅井さんの新しい祭りのシリーズは、日本と西洋の祭りの中に浅井さんが直感した共通の遊びと色を職人的な技に取り込み、日本の伝統工芸が磨いてきた木と竹の素材感と漆の光沢を生かして21世紀の遊びのコンセプトを具象化させようとした成果である。そういうわけで浅井さんの作品はまだ知られない遊びへのメッセージを語りかけながらも、懐かしい手触りと色艶を帯びて微笑んでいる。それを見ていると、私も一緒に遊びたくなる・私の身体も道具となり、楽器となる。                          近藤 耕人(明治大学教授)


浅井 昭 

2001 ファソン・ジャポンI2001展 フランス・リヨン・ラ・ギャラリー
2000 第44回新象展 1958年より毎年出品 東京都美術館

個展 企画、京橋・アートスペース羅針盤
1999 日仏現代武術交流展 後援、船橋市民ギャラリー
日本のコンテンポラリーアート展 フランス・リヨン・ラ・ギャラリー
プレ・オープン 浅井 昭個展 企画、京橋・アートスペース羅針盤
1998 多摩美術大学絵画科油画助教授定年退職
1998 日本のコンテンポラリーアート展  フランス・リヨン・ラ・ギャラリー
個展  企画、千葉市中央区ギャラリー睦
1997 「白いドラゴン」立体 浅井 昭思いつき展 千葉市稲毛コモード

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