展覧会案内・Exhibition Information

阿部 隆 展
主題と空間
2000年11/6(mon.)〜11/12(sun.)
11:00am〜19:00pm(最終日17:00pmまで)

主題と空間

「私にとって主題とは、ある具体的な物体をモチーフとして配しそれを主題とするということとは、意味が異なります。物を置くと、その物と同じ量の空気がうごきます。そのうごきは連鎖し、次第に弱くなります。もちろんそれは目に見えるわけではありません。考えのなか(絵のなか)でその一連のうごきが最初の主題となります。
 では、物を置くとはどういうことかと申しますと、キャンバスは平面的な布で、その表面に絵の具をのせて絵をかくわけですが、感覚的には平面を意識することはほとんどなく、キャンパスのなか(の空間)に、ある程度の量を持ったかたちを置いていきます。その量が少なすぎると動きが細かくなり、作品そのものの厚みを失いかねません。ちょうど彫塑家が彫塑台の上で粘土をひねっている感じに似ているかもしれません。」阿部 隆
オイルペインティングで描かれた150号の新作などを展示。

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昨年の個展では、さわやかな新緑のように美しい色彩で、多くのファンを魅了したが、今回は新しい展開が期待される。


さまざまにその刻々を必死にやってきた。その阿部隆を私は20数年見てきている。都度々々言わずもがななことを言ってきたと思う。私は忘れているけど本人は憶えている。仕方のないことである。だけど鳥の形とでも言えばいいのか、薄板を同型に切り抜いたものが、画面に何枚も画面からとび出して配置された連作が始まったとき顔をしかめたのは憶えている。彼は執拗にそれを繰返している。よほどその形が気になっていたらしく、それならそれで画面に張り付かせてしまえばいいのになあと思ったりもした。しかし自分の気が済む迄、ひとがなんと思おうがやってみるのは大事なことに違いない。むしろその執拗さは画家たるべき資質の証しであるだろう。今年の渋谷ゆーじん画廊の二人展で作家コメントのプリントを置いていた。そこには「繰返し現われるものこそが主題であると思え」ると、音楽の主題にことよせて書いていた。あるいはあの鳥の形のようなものはそのようなことであったかも知れぬ。けれどもこの時の作品の主題は球体であった。今回もそうである。はっきり憶えてはいないが球体の初出は2年前からではなかったか、はじめのうちは紙を丸めて球型を作って画面配置を色々考えていたようだが、もうその手のモデルは使っていないようだ。そのかわり輪郭についての怖れが現われた。これは顕著にセザンヌのものであるが、輪郭というものはいわば概念枠なのだから、この球体がそもそもなんであるのか明らかでなかったり、明らかにしたくなかったらこのように描くしかないのであるか。私はこれはなんだろうと思いながら、良い絵だなあと眺めている。
                        今泉 省彦

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