建築設計事務所を開設して 20年、この間さまざまな要望をもとに設計活動を展開してきました。事務所名称の中に、建築計画研究という 文字を入れ、設計活動とともに、研究活動にも取り組んでいきたい、ということが設立当初からの意気込みでした。  あえて言い換えれば、建築設計にまつわる、文化的な側 面(その祝祭性や批評性など)を踏まえて行こう、ということで、その研究過程での「建築性」によって、人と世界との関係を、より生き生きした、 新しいものにしていけないか、という希望を現在も抱えています。
 住宅や共同住宅などの建築計画、設計作業、設計監理が多いのですが、 オフィス、幼稚園なども手がけています。このHPでは、これまでの作業のなかで考えてきたことや、 その成果、失敗の反省点についてまとめていきたいと思っています。そうした対象(ここでは建築)と そのほかの領域の課題について、数学者である森毅さんは「地球上には多くの真理がある.相模湾にホヤが何種類いるかを知ることも真理であるし,那須野のスミレがいつ咲くかを知ることも真理を追求したとは言える.それらが,人間の歴史にとって,どのような意味をもつか,その「意味」をたずねることが同時になされねばならない.そして,その「意味」は,それをたずねる社会にかかわるゆえに,その社会のあり方と深く関連する (数学的思考 明治図書出版)」という具合に表現されています。 あるときは文化的な遺産の蓄積物として、あるいはなつかしいまちなみとして、 そして現に住んでいる空間として、すべての人に関わりがある建築。それを問うことで社会をたずね、そのあり方にかかわっていけるような方法を探ってみたいと考えています。
 基本的には「ネーネーネーこれいいと思わない!?」みたいな発想なのですが、 そこに到るまでの曲折のありようがおもしろいはずだと思っています。 最近は「環境共生住宅」「自然住宅」「エコハウス」「自然エネルギー利用」というキーワードで建築を捉えることがはやっています。こうした要望、依頼によって手がけた住宅で、 こうしたことについてかんがえたことも扱っています。



深川良治建築計画研究室 
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update  2010.01.13.