「割賦販売」

<Organs&Beacons of Instalment Sale>



Organs

割賦販売
あらかじめ商品を引き渡しておき、その販売代金を一定期間にわたって分割回収することを条件とする販売方法
割賦販売
収益((代金))
の認識基準
<「引渡」の「余韻」がつづく販売形態>
代金回収に長い期間が必要であるため、貨幣性資産の受領可能性を、「販売(=引渡)」以降いろいろな時点において確定することができる販売形態であって、その確定の仕方も「分割計上」または「一括計上(=この場合、収益認識の基準とする貨幣性資産の種類によっては、貨幣性資産の取得の実現が不明な収益、つまり貨幣性資産の未受領の利益(=未実現利益)が認識されてしまう)」などの方法が考えられる
(代金回収に長い期間が必要であるため「利息」は当然計上され、契約解除(=貸倒)が当然発生する
回収期間
の長期性
商品の引渡しをおこなってから、代金の全額を回収するまでに長い期間を必要とすること
貸倒の
危険性
代金の全額を回収するまでに長い期間を必要とするため、割賦代金は貸倒の危険性が高いこと
所有権
の留保
通常の商品の販売と同様に、割賦販売された商品の所有権は、代金が完済されるまで売り手側に留保されること
事後費用
の必要性
商品の引渡しをおこなってから、アフター・コスト(=集金費・サービス費・メンテナンス費など)がかなりかかること
<割賦販売の類例>
×01 10/1 原価150,000円の商品を、毎月末10回払いの約束で180,000円で販売した。
現金正価160,000円。
×01 10/31 入金契約日であるが、先方から11月5日に支払う旨の連絡があり、これを了承した。
×01 11/5 第1回目の割賦金18,000円を現金で受け取った。
×01 11/30 第2回目の割賦金18,000円を現金で受け取った。
×01 12/30 本日、決算日。なお、第3回目の割賦金18,000円を現金で受け取った。
・・・ ・・・
×02 3/31 第6回目の割賦金18,000円を現金で受け取った。
×02 4/3 未回収額72,000円が取立不能となったので、商品を取り戻した。転売価格は32,000円であった。
・・・ ・・・
×02 12/31 本日、決算日。
取り戻した商品は未販売である。
原則的基準
商品販売時において「商品引渡」と交換に為される「代金請求権(=割賦金)」の取得を重視する収益の認識基準
販売基準
(引渡基準)
<通常の掛売上げ>
商品の引渡日をもって売上収益実現の日とする、つまり商品の引渡と交換に取得される「代金請求権(=割賦金)」の取得について貨幣性資産の受領確定(=認識)事実とし、販売金額の総てについて売上に計上する基準
×01 10/1 (割賦売掛金)180,000 (割賦売上)160,000
(前受利息) 20,000
×01 10/31
・・・
・・・
×01 11/5 (現   金)18,000
(前受利息) 2,000
(割賦売掛金)18,000
(受取利息) 2,000
×01 11/30 (現   金)18,000
(前受利息) 2,000
(割賦売掛金)18,000
(受取利息) 2,000
×01 12/31 (現   金)18,000
(前受利息) 2,000
(割賦売掛金)18,000
(受取利息) 2,000
<損益計算書>

割賦売上高 160,000
割賦売上原価
0期首商品棚卸高 0000000
0当期商品仕入高
150,000
150,000
0期末商品棚卸高
0000000
150,000
割賦売上総利益
010,000
・・・
・・・
・・・
受取利息 006,000
<貸借対照表>

(資産の部)
売掛金 126,000
・・・
・・・
・・・
(負債の部)
前受利息 014,000

割賦販売による売上高が一般売上高の20%を超える場合には、損益計算書の表示は当該名称を付した科目によって、分離してレイアウトする(財規第73条)
貸借対照表上は普通の売掛金に含め、別科目にしないでレイアウトする
・・・
・・・
・・・
×02 3/31 (現   金)18,000
(前受利息) 2,000
(割賦売掛金)18,000
(受取利息) 2,000
×02 4/3 (取戻商品)32,000
(戻り商品損失)32,000
(前受利息)8,000
(割賦売掛金)72,000
・・・
・・・
・・・
×02 12/31 (仕   入)32,000
(繰越商品)32,000
(取戻商品)32,000
(仕   入)32,000
<損益計算書>

・・・
・・・
・・・
0期首商品棚卸高 0000000
0当期商品仕入高
032,000
032,000
0期末商品棚卸高
032,000
0000000
・・・
・・・
・・・
受取利息 006,000
・・・
・・・
・・・
戻り商品損失 032,000
<貸借対照表>

(資産の部)
繰越商品 32,000









割賦基準
「期限未到来の債権」と「期限が到来した債権」((どちらも「代金請求権(=割賦金)」))、または「現物としての貨幣性資産」のどれが一番確実か…
「注解」6の(4)
収益の認識を慎重に行うために、「会計期間の暫定性による保守主義の原則」によって認められる収益の認識基準であって、貨幣性資産の受領の確定(=認識)時点を、実際の「引渡(=販売)時点」以外の時点とする収益の認識基準
回収基準
保守主義を貫徹した収益計上基準…実質的に「現金主義」による収益認識基準
現物の貨幣性資産の「入金」について売上収益実現とみなす、つまり
「入金」時点を「商品引渡(=販売)」時点であるとみなすが(=みなし実現主義:)貨幣性資産の「入金」はそのまま貨幣性資産の受領確定(=認識)事実であるから、貨幣性資産の「入金」金額を売上に計上する基準
対象勘定法
<理論上○ 実務上×>
財務諸表にレイアウトされない勘定科目であって対象勘定である、「割賦((仮))売掛金」と「割賦仮売上」の二つの仮勘定によって、割賦販売代金についての取引総額を帳簿上で把握し、かつ代金回収について会計((帳簿))管理をする方法

((未実現利益控除法によると、期中における割賦販売は通常の掛販売として処理するのに決算期末において未実現利益を測定するのは、期中における実現主義による収益認識基準と、決算期末における現金主義による収益認識基準とが競合しているといえるので))対象勘定法においては、「分割計上」の考え方によって売上を計上する、つまり割賦代金の回収ごとに当該回収額のみを売上に計上する処理をするために、現金主義による収益認識基準が期中・決算期末を通じて一貫性を持つ
×01 10/1 (割賦((仮))売掛金)
180,000
(割賦仮売上)180,000
×01 10/31
・・・
・・・
×01 11/5 (現   金)18,000

(割賦仮売上)18,000
(割賦売上)16,000
(受取利息) 2,000
(割賦((仮))売掛金)
18,000
×01 11/30 (現   金)18,000

(割賦仮売上)18,000
(割賦売上)16,000
(受取利息) 2,000
(割賦((仮))売掛金)
18,000
×01 12/31 (現   金)18,000

(割賦仮売上)18,000

(繰越商品)105,000
(割賦売上)16,000
(受取利息) 2,000
(割賦((仮))売掛金)
18,000
(仕   入)105,000
<損益計算書>

割賦売上高 48,000
割賦売上原価
0期首商品棚卸高 0000000
0当期商品仕入高
150,000
150,000
0期末商品棚卸高
105,000
45,000
割賦売上総利益
03,000
・・・
・・・
・・・
受取利息 006,000
<貸借対照表>

(資産の部)
繰越商品 105,000









・・・
・・・
・・・
×02 3/31 (現   金)18,000

(割賦仮売上)18,000
(割賦売上)16,000
(受取利息) 2,000
(割賦((仮))売掛金)
18,000
×02 4/3 (割賦仮売上)72,000

(取戻商品)32,000
(戻り商品損失)28,000
(割賦((仮))売掛金)
72,000
(仕  入)

・・・
・・・
・・・
×02 12/31 (仕   入)137,000

(繰越商品)32,000
(繰越商品)105,000
(取戻商品)32,000
(仕   入)32,000
<損益計算書>

割賦売上高 48,000
割賦売上原価
0期首商品棚卸高 105,000
0当期商品仕入高
032,000
137,000
0期末商品棚卸高
092,000
045,000
割賦売上総利益
03,000
・・・
・・・
・・・
受取利息 006,000
・・・
・・・
・・・
戻り商品損失 028,000
<貸借対照表>

(資産の部)
繰越商品 32,000









未実現利益
控除法
<理論上× 実務上○>
期中においては割賦販売を通常の掛売上げとして実現主義によって処理(=販売基準と同じ処理)し、決算期末において未実現利益を認識し控除することによって現金主義によって処理する方法

((対象勘定法における二つの仮勘定は財務諸表にレイアウトされない勘定科目であるため))当期に行われた取引規模の総額を財務諸表上に表現するという「総額計上」、つまり総額主義の観点からは未実現利益控除法を選択すべき<であり、((対象勘定法においては、実際には不可能である一個の割賦販売用商品を「切り分ける・取り分ける」作業があたかも行われ、かつ不可分である一個の商品をあたかも過分可能であるように処理する必要があるが))未実現利益控除法においては商品を在庫管理する作業の実態に即して、会計上も処理される
×01 10/1 (割賦売掛金)180,000 (割賦売上)160,000
(前受利息) 20,000
×01 10/31
・・・
・・・
×01 11/5 (現   金)18,000
(前受利息) 2,000
(割賦売掛金)18,000
(受取利息) 2,000
×01 11/30 (現   金)18,000
(前受利息) 2,000
(割賦売掛金)18,000
(受取利息) 2,000
×01 12/31 (現   金)18,000
(前受利息) 2,000
(割賦未実現利益控除)
7,000
(割賦売掛金)18,000
(受取利息) 2,000
(繰延割賦未実現利益)
7,000
<損益計算書>

割賦売上高 160,000
割賦売上原価
0期首商品棚卸高 0000000
0当期商品仕入高
150,000
150,000
0期末商品棚卸高
0000000
150,000
(修正前)割賦売上総利益 010,000
割賦未実現利益控除
007,000
割賦売上総利益 03,000
・・・
・・・
・・・
受取利息 006,000
<貸借対照表>

(資産の部)
売掛金 126,000
00繰延割賦未実現利益
007,000
119,000
・・・
・・・
・・・
(負債の部)
前受利息 014,000

・・・
・・・
・・・
×02 3/31 (現   金)18,000
(前受利息) 2,000
(割賦売掛金)18,000
(受取利息) 2,000
×02 4/3 (取戻商品)32,000
(戻り商品損失)28,000
(繰延割賦未実現利益)
4,000
(前受利息)8,000
(割賦売掛金)72,000




・・・
・・・
・・・
×02 12/31 (仕   入)32,000
(繰延割賦未実現利益)
3,000
(取戻商品)32,000
(割賦未実現利益戻入)
3,000
<損益計算書>

割賦売上高 0000000
割賦売上原価
0期首商品棚卸高 0000000
0当期商品仕入高
032,000
032,000
0期末商品棚卸高
032,000
0000000
割賦売上総利益 0000000
割賦未実現利益戻入 003,000
・・・
・・・
・・・
受取利息 006,000
・・・
・・・
・・・
戻り商品損失 028,000
<貸借対照表>

(資産の部)
繰越商品 32,000









分記法
回収期限
到来基準
(履行日基準)
「実現主義」と「現金主義」の中間に位置する収益認識基準、つまり「販売基準」と「回収基準」の中間に位置する収益認識基準
「代金請求権(=割賦金)」の回収期限の到来日において売上収益実現の日とみなす、つまり
「回収期限(=割賦入金日)の到来」時点を「商品引渡(=販売)」時点であるとみなして(=みなし実現主義:)、代金請求権の「回収期限の到来」について貨幣性資産の受領確定(=認識)事実とし、回収期限の到来した部分の債権金額を売上に計上する基準
×01 10/1 (割賦((仮))売掛金)
180,000
(割賦仮売上)180,000
×01 10/31 (売掛金)18,000

(割賦仮売上)18,000
(割賦売上)16,000
(受取利息) 2,000
(割賦((仮))売掛金)
18,000
×01 11/5 (現   金)18,000 (売掛金)18,000
×01 11/30 (現   金)18,000

(割賦仮売上)18,000
(割賦売上)16,000
(受取利息) 2,000
(割賦((仮))売掛金)
18,000
×01 12/31 (現   金)18,000

(割賦仮売上)18,000

(繰越商品)105,000
(割賦売上)16,000
(受取利息) 2,000
(割賦((仮))売掛金)
18,000
(仕   入)105,000
<損益計算書>

割賦売上高 48,000
割賦売上原価
0期首商品棚卸高 0000000
0当期商品仕入高
150,000
150,000
0期末商品棚卸高
105,000
45,000
割賦売上総利益
03,000
・・・
・・・
・・・
受取利息 006,000
<貸借対照表>

(資産の部)
繰越商品 105,000









・・・
・・・
・・・
×02 3/31 (現   金)18,000

(割賦仮売上)18,000
(割賦売上)16,000
(受取利息) 2,000
(割賦((仮))売掛金)
18,000
×02 4/3 (割賦仮売上)72,000

(取戻商品)32,000
(戻り商品損失)28,000
(割賦((仮))売掛金)
72,000
(仕  入)60,000

・・・
・・・
・・・
×02 12/31 (仕   入)137,000

(繰越商品)32,000
(繰越商品)105,000
(取戻商品)32,000
(仕   入)32,000
<損益計算書>

割賦売上高 48,000
割賦売上原価
0期首商品棚卸高 105,000
0当期商品仕入高
032,000
137,000
0期末商品棚卸高
092,000
045,000
割賦売上総利益
03,000
・・・
・・・
・・・
受取利息 006,000
・・・
・・・
・・・
戻り商品損失 028,000
<貸借対照表>

(資産の部)
繰越商品 32,000










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