2000年1月17日作成


大学通信教育部の選択基準:「ある人」の場合


1:
資格取得までの在学期間が短い (1年で取れる)
2: 他大学在籍が認められる (一方で正科生、他方で科目等履修生)
3: 既取得資格による科目免除がある
4: 既修得単位は履修が免除される
5: レポートの本数が少ない
6: 科目試験受験の機会が多い
7: 科目試験の問題が易しい
8: 3年次以前から資格の準備ができる
9: 学費が安い
10: 面接授業(スクーリング)の日程の都合がよい
といった点を考えて選びました。


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なお一般的・公的な情報については、 私大通信教育協会のサイトを御覧ください。
同協会による案内冊子や、 大学合同説明会も是非是非御活用ください。


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(1)資格取得までの期間

(学芸員:玉川大が便利、佛教大は不便)

例えば学芸員資格をとるのに、玉川大は1年でよいのに、佛教大は2年食う。

これは、じっくり時間を掛けて学びたい人には利点でしょう。

しかし、「ある人」は就職浪人なのです。定職がある人は忙しいので

無理かもしれませんけど、「ある人」のような就職浪人は、さっさと資格をとって、

その資格をもとに就職したいのです。悠長に2年も掛けてられません。

なお「長時間掛けてゆっくり科目履修したい」というのであれば、逆に

「最大在籍可能期限」が問題になります。1年次入学なら、8年や10年が

多いでしょうが、法政大のように「無制限」というところもあります。

 


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(2)他大学への同時在籍

(学芸員:玉川大が便利、司書:聖徳大か近畿大が便利)

学芸員資格をとれるのは、今のところ玉川大か佛教大の正科生のみです

(京都造形芸術大で科目等履修生を募集するような話もあったが、

どうなったか知らない)。でも、「ある人」は学芸員資格が欲しいのではない。

学芸員課程入学は、資格目当てというよりも、神奈川県庁の受験勉強の

一環なのです。まあ、就職口の少ない資格でもありますしね。

「ある人」が就職で必要とするのは、司書資格です。国家II種図書館学では

受験勉強と実務の上で必要な知識です。横浜市の司書職員応募のためには、

資格取得見込みでなければなりません。「今年は学芸員資格をとって、

来年は司書資格」などという悠長なことを言っていては、年齢制限を

超えてしまいます。なので「正科生で学芸員、科目等履修生で司書資格を

1年でとってしまう」が出来ないといけないのです。

他大学に科目等履修生で在籍することを許す学芸員課程は玉川大

他大学に正科生として在籍することを許す司書課程は聖徳大と近畿大

というわけで、「ある人」は玉川大と近畿大に在籍しているのです。

ただ玉川大や佛教大は、正科生で司書資格・学芸員資格・社会教育主事資格や

各種教員免許の課程を持っています。なので、佛教大の制度は知りませんが、

玉川大なら「副免履修」という形で、複数の資格の取得を目指すことも可能です。

ただし1年で認定される単位には上限があるので、多くの資格をとるには

それだけ長い在籍期間が必要になるでしょう。

 


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(3)既取得資格による科目免除

(司書:聖徳大か近畿大が便利。明星大や佛教大、玉川大は不便)

ある資格を持っていると、他の資格をとるのにに必要な科目の一部が

履修しないで済むことがあります。例えば近畿大では、司書関係科目のうち、

学校図書館司書教諭資格があると「児童サービス論」「コミュニケーション論」

博物館学芸員資格があると「生涯学習概論」「情報機器論」

社会教育主事任用資格があると「生涯学習概論」の履修が免除されます。

でもこれ、免除しない大学もあるんですよね。たとえば明星大とか

玉川大や佛教大で司書資格をとろうとしても、こういう免除はありません。

科目等履修生で資格の取れる、聖徳大や近畿大だけが行っている措置ですね。

なお玉川大や佛教大でも、自分の大学で上記資格を取っていれば、

「副免履修」という形をとることで、それらの資格の課程と司書課程とで

共通する科目については、二重の履修が免除される可能性があります。

 


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(4)既修得単位の認定

(司書:放送大の履修科目を聖徳大か近畿大で認めてもらうと便利。

玉川大や佛教大、明星大では認めてくれないので不便)

例えば放送大では、司書課程や学芸員課程、教職課程の一部に該当する科目を

開講しています。でも、司書課程や学芸員課程、教職課程自体を

持っているわけではありません。ということは放送大で得た単位を活かすには、

それらの資格をとるための課程を持つ大学に入って、そこで

放送大で得た科目の履修を免除してもらう必要が出るのです。

でもこれ、どこでも認められるわけじゃないんですよね。既修得単位を

免除する大学と、「そんなの前にとってても関係ないよ、うちで全部とんな」

という制度の大学があるのです。司書の場合は、免除してくれるのが

聖徳大や近畿大、してくれないのが明星大や玉川大、佛教大です。

教職では、わりと認めてくれるところが多いみたいです。逆に

学芸員では、佛教も玉川も認めてくれないので注意が必要です。

ただ上記のように、例えば玉川大で教職をとっていて「副免履修」で

司書や学芸員などをとる場合には、複数課程で重複して課される

科目は再度の履修が免除される、ということはありますが。

なお、放送大の どの科目が どの資格と関係するのかは、

かなり変わるので、必ず放送大の「学習センター」に行って

資料をもらい、確認すること。

 


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(5)レポートの本数

(司書:放送大と近畿大が便利。玉川大や聖徳大は不便)

「レポートも、多く課された方が学習量が増えて良い」。そう考える人も

いることでしょう。でも、必ずしもそうではないのです。

レポートの何が一番辛いかというと、「手書き」するところなのです!!

「ある人」なんて、コンピューターで作った文章を、わざわざ打ち出して、

それを大学指定の用紙に書き写してるんですから、下手な字で。

手間と時間は馬鹿にならないですよホントに。ペン書き指定だったりしますし。

まあ、筆跡確認のためというなら納得はしますけど。

こんな写経みたいな苦行は、なるべく避けたいと思いませんか?

それに費やす時間は、教科書を読んだり、構想を練ったりするのに

使ってこそ大学かな、と思うのです。それに、「ある人」の場合は

レポートの数とは関係なく教科書は読みますからね。

この点では、「1単位につき1通」の大学が多いです。で玉川大の場合、

普通は1科目が2単位なので、結果的に「1科目で2通」になります。

「1科目1通」が基本である近畿大や放送大は、こういう負担は少ないです。

ただし放送大は、学期中間くらいに課題が発表され、それから1か月ほど後に

提出期限がくる、という時間的制約があります。通信教育部との大きな違いです。

なお量は大抵2000字前後です。玉川大は2000-2400字、近畿大は1900-2100字。

 


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(6)科目試験の受験機会数

(玉川大が便利。放送大は不便)

通信教育部の科目履修は、教科書や参考文献を読んで、課題に沿って

レポートを書いて提出し、それから試験を受けて終わります。

レポートの出来が悪いと再提出、試験の出来が悪いと再受験します。

つまり、1科目につき1回は、試験を受けなければならないことになります。

ここで一つ、問題が発生します。試験日1日について、受けられる科目数が

意外と少ないのです。近畿大は、午前2科目、午後2科目で、合計4科目。

玉川大は、朝2科目、昼頃2科目、昼下がり2科目で、合計6科目までです。

しかもこれで、いつでもどの科目でも受けられるのではないのです。

例えば学芸員や司書の課程の科目が、特定の時間帯に集中していたりも

するのです。例えば玉川大で、とる必要のある科目が朝に6科目あったと

すると、少なくとも3日は、試験を受けなければならないことになります。

でも玉川大は、本校でなら土曜と日曜二日連続で試験があるので、年14日の

試験日が設けられています。1日最大6科目なので、これは大きいです。

近畿大は日曜のみで、1日最大4科目です。しかし、月代わりで地方と本校で

試験を行うので、東京の会場だけで受けるなら、試験日は年に5日だけ、

ということになります。その日が用事でつぶれるようだと、本校まで

新幹線で受けに行かねばなりません(夜行急行でもいいですけど)。

なお放送大の場合、1科目あたり年2回しか受験機会が無く、しかも

平日に試験があったりするので、この点では不便です。

 


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(7)科目試験の問題の易しさ

(放送大が易しい)

あまり難しい試験に出くわしたことはないですね。

「ある人」の側の準備不足、というのはありますが。

放送大の試験は、易しかったです。選択式だったりしますし。

玉川大は、ふつうです。過去問も売ってます。

近畿大は変わっていて、予め10問、問題が知らされているのです。

だから各10問につき、予め答えを用意して頭にいれておけば、

難なく試験はできる・・・といっても、少し問題があります。

同一時間帯で2科目受験するときには、20問分記憶していく必要が

あるからです。まあ、それなりのことを書けば単位はもらえますが。

 


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(8)1・2年生からの司書資格取得準備

(放送大が便利)

これは、司書資格取得のため科目等履修生として在籍する場合、

受講資格が「大学3年生以上」となっている問題の解決策です。

「大学2年までは教養課程、大学3年以降が専門課程」と考えれば

納得のいく制度ではあります。近畿大の司書課程もそうですし、

また、放送大学の学校図書館司書教諭資格の課程も同様です。

他の大学は未確認ですので、御自分で調べてみてください

(まあ大差ないとは思いますけど、責任もちません)。

この点の「抜け道」は、学部の1・2年在学中に、放送大で

司書課程関係の科目をとってしまうこと。もちろん、「学習センター」で

資料をもらい、司書課程に該当する科目を選んで、2年の前期までに

履修するのです。すると学部2年の後期には単位の認定が済むので、

学部3年になって科目等履修生受講資格が生まれてから

近畿大に申し込むときに、科目の免除が申請できる、というわけです。

 


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(9)学費

(近畿大、放送大が安い)

近畿大は、入学金と選考料で25000円と各単位1500円、

聖徳大は、入学金と選考料で40000円と、26単位分の受講料94000円。

ただし両者とも、これにスクーリング料金その他がつきます。

ちなみに、「ある人」の場合、近畿大は学費のほかに、新幹線で大阪本校に

2回も試験を受けに行った交通費、東京のスクーリングが定員漏れで

福井で2泊してスクーリングを受けた旅費を合わせて、それで

聖徳大の方は単純に入学金と学費、スクーリング料金だけで

計算しても、近大が聖徳大の7割くらい、という結果になりました。

なお他の通教部が私立大学なのに対し、放送大は「特殊法人立大学」と

いって国立みたいなものなので、格段に安くなってます。

でも放送大の科目を近畿大等で認めてもらおうとすると

「認定料」というのをとられるので、あんまり得はしないと思います。

ちなみに、「ある人」が出た或る学習会では、学費はアルバイトで稼いでる

という人が多かったです。「ある人」のようなスネカジリ系は、肩身が狭いかも。

 


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(10)面接授業(スクーリング)の日程

(司書:近畿大が便利)

通信教育部は通学部と違い、時間の使い方が自由です。

でも二つ例外があります。それが、科目試験と面接授業(スクーリング)です。

スクーリングは、各大学それぞれ日程が違います。

大抵、通学部生が休む夏休み期間には、6日区切りで1日3科目くらいの

日程でスクーリングが組まれます。あとは玉川では、春期に週3日、

1か月くらいに渡って夜間に、冬期に3日間集中して1日中、

といった具合の日程があります。ただ「夏でないと開講しない科目」

というものもあるので、注意が必要です。なお、司書で近畿大が

便利なのは、多くの場合「地方スクーリング」では、1科目が金土日3日間で

完結する形をとっているからです。短期集中で、直ぐ終わるわけですね。

なお玉川大は、スクーリング日程の最初か半ばか終わりかで、

「スクーリングレポート」なる提出物が課されるので注意。たいていの場合、

分量は通常のレポートと同じくらいで、各科目1本です。

ただし、先生によっては「ワープロ可」なのが、とても大きな救いです。