受診体験談・眼底検査
注・医学知識の正確さは保証しません


症状
 

突然ですが、「目の前に光る点が明滅する」とかいった

症状がある人、いらっしゃいませんか?「飛蚊症」だとか、いうんですよね。

これは、眼の老化症状に過ぎないものも多いらしいです。ところが

侮るなかれ、 「網膜剥離」 の初期症状のものもある、というではありませんか。

だれかには4年くらい、こうした症状が出ていました。

このことを他人に話すと、「早く医者に行ったほうがよい」と

勧められたのですが、怖さもあって、ついつい先延ばしにしていました。

しかし先日、ついに思い立って病院に行って来ました。

ここでは、同じような症状を持つ方々が思い切って病院に

行けるように、だれかの受診の顛末を話すことにします。


病院を選ぶ
 

周囲の人々に情報を求める。でも「自分が眼底検査を受けた」という話を

してくれる人は皆無。なので他の情報から総合し、専門化の進んだ大病院で、

しかも一般的に評判のいいところ、公正そうなところということで、

某公立病院に行くことに決める。


病院に到着(10時半くらいだったかな)
 

受付の時間は、朝8時半から11時まで。なので早めに家を出る。

入口から入ると、案内所があるが人がいない。同様に入った人は、

左の方に歩いていく。見ると自動受付機がある。そこへ行く。

どうやら受診者が診察券を入れ、機械に読み取らせているようだ。

ほどなく自分の番が来ると、そばの係員に呼び止められる。

係員「診察券はありますか?」だれか「いえ初めて参りましたので、ありません。」

係員「では、あちらの台で、書式に記入してください」

登録用紙のようなものに、住所・氏名・生年月日・掛かりたい診療科等を書く。

記入する台にも係員がいて、質問に応じてくれる。

その係員に指示された窓口へ向かう。たしか提出箱のようなものがあった

ような気がする。そこへ記入したものを出して待つ。年末のせいか混んでいる。

提出後暫くして名前が呼ばれ、診察券その他書類を受け取る。

窓口の係員の指示で、地下1階の眼科へ向かう。


眼科へ到着・問診書類記入(11時くらいだったかな)
 

眼科の窓口へ着き、書類を提出する。すると問診事項を書いた紙を与えられ、

記入するように言われる。実に合理的だと感心しながら記入。

どんな症状があるか、いつから発生したか、他の病院にかかったか、

他の既往症は、等といった項目。窓口の外には長椅子が沢山あり、

人が沢山待っている。書類提出後、ここで名前を呼ばれるのを待つことになる。

待っている人たちには、入院患者らしき高齢者が多い。

眼を腫らした幼児を連れた若い母親もいる。もう一人幼児を抱えて。大変だ。


視力などの検査(11時半くらいだったかな)
 

呼ばれて入る。医師ではなく看護婦さんの指導で、

視力検査などを行う。診察室前の待合室のような場所の

一画を用いる。仮の眼鏡を使っての乱視の検査、

眼に一瞬風をあてるような検査、赤い点に眼の焦点を

合わせて眼の具合を機械で覗くような検査もあった。

風をあてるのを除いては、眼鏡店でも行うようなもの。

これが終わったら、暫く外の長椅子で待つ。


問診(12時くらいだったかな)
 

二つある診察室の一方に入り、医師の問診を受ける。

「近眼が強いようなので、眼底検査をします」とのこと。

覚悟はしている。瞳を開く薬を差すので帰りには眩しくなる、

だから車の運転をすることはできない、といった説明を受ける。


目薬を差す(12時半くらいだったかな)
 

問診の直後だったか、あるいは暫く後だったかに、目薬を差される。

診察室前の待合室の椅子が数人が座っており、看護婦さんが

目薬を差していく。快いものではない。薬が効くまで

30分ほど待つように申し渡され、外の長椅子で待つ。


いよいよ眼底検査(1時くらいだったかな)
 

20分ほど経つと薬が効いてきて、辺りを眩しく感じ始める。

30分ほど経ったら看護婦さんに呼ばれ、先程の診察室に入る。

歯医者にあるような椅子に座るよう言われる。やはり歯医者の要領で、

座ると背もたれが傾く。丁度仰向けに寝る恰好になる。

・・・

いよいよ検査本番。部屋は暗くなっている。

眼科医の先生は何か強く光るものを顔に着けて、

こちらの眼を覗き込んでくる形になる。

ただでさえ眩しいのに、もう訳解らんくらいに眩しい。

その状態で、「眼を大きく開いてください」「もっと開いてください」

「まっすぐ前を視てください」「上を視てください」等の

指示が出る。こうして、眼底のあちこちを診ようというのだ。

では、患者である だれかが上を視ると、何が見えるか?

上が見える・・・のではない。見えない、のでもなく、違うものがみえる。

目の前に、黒い筋が沢山走っているのが「ぶわっ」と現れる。

・・・

予備知識が無かったら、さぞ気持ち悪かっただろう。これは、

眼の血管、なのだと「知覚心理学」の講義で聴いたことがある。

眼球は普段、ごくごく微妙に震えているのだそうだ。

従って網膜に映る外界の物体は、網膜上で震えていることになる。

この震えを止めると、外界の物体は見えなくなるのだという。

これは大事な仕組みなのだそうだ。なぜなら、網膜に映ってしまう

もので、見えてしまっては困るものがあるからである・・・眼の血管だ。

それは網膜と一緒になって震えているから、網膜上では完全に

静止していて、だから普段は見えないのだそうなのだ。

ところが この血管が、眼球の側面から強い光を当てると、

森の中の木々の幹のように浮き上がって見える、という。

・・・その現象が、眼底検査で起こるわけだ。

従って「上を視てください」「下を視てください」

「右を視てください」「左を視てください」どこを視ても、

黒い筋が走っているのが「ぶわっ」と現れるだけ。

本当に指示通りの方向を視ているのかどうかも、自信が持てない。

・・・

最後に診断結果として、「強度の近視のせいもあって

硝子体の変性が進んでいるだけで、特に病的なものはない」

と申し渡され、ほっとする。


支払い(1時半くらいだったかな)
 

窓口で必要書類を受け取り、支払い事務の窓口へ行く。

その前の長椅子で割と長いこと待ち、呼ばれたら診療費を払って帰る。

保険が効いていて、数千円払ったような気がする。


かえる
 

帰り道は、けっこう眩しい。網膜剥離で光凝固治療を受けた人が

「サングラスがあると便利」と助言してくれたのを思い出す。

ただし普通の眼鏡でも、激しく困るわけではなかった。

まあ、無事に終わって良かった。


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