キリスト教の礼拝での動作(ある教会の場合)

この文書を作った理由:

キリスト教徒は日曜になると、教会へ集って礼拝に参加します。礼拝には、ベテラン信徒も来ますが、単にキリスト教に興味を持っただけの人も参加して構いません。    しかし礼拝に慣れていない人は、立ったり座ったり祈ったりと色々な動作があるため、戸惑ってしまうのではないでしょうか。誰しも初めは礼拝初心者、戸惑うのは当たり前です。とはいえ戸惑いは少ないほうが良いに越したことはありません。

そこで礼拝で行われる動作について、知っておくと便利な点を表にまとめてみました。この表にあるようにしていれば、礼拝初心者であっても、礼拝式の進行についていけます。周りの人の動きを見ながら、おっかなびっくり動かなくてもよいわけです。表にはあくまでも身体の動きだけを書いてあります。式の中のそれぞれには意味がありますが、それらは追々学んでください。

なおこの表は、「日本基督教団大和キリスト教会」の式次第に対応しています。礼拝の進め方は、カトリックやプロテスタントといった違いだけでなく、同じ教派の中でもローカルルールの違いがありますから、全てがこの通りではありません。一つの目安と考えてください。

礼拝に初めて参加するときは、受付の人にその旨告げるとよいです。大抵の場合、ベテラン信徒の隣の席を紹介してくれて、その信徒が礼拝式の進行について詳しく説明してくれます。

 

礼拝の式次第と動作(括弧内は、毎月第一日曜等に付け加わる)

 

進行

姿勢

動作

何を見るか

説明

前奏

座ったまま

祈る

(目を瞑る)

両手を組んで、祈りの姿勢をとる

招詞

座ったまま

祈る

(目を瞑る)

両手を組んで、祈りの姿勢をとる

頌栄

起立して

歌う

讃美歌

真ん中あたりを開け、式次第の番号と同じところを歌う

信仰告白

立ったまま

唱える

讃美歌

表紙を開けたところに貼ってある紙を見る

(生活綱領)

立ったまま

唱える

讃美歌

表紙を開けたところに貼ってある紙を見る

主の祈り

立ったまま

唱える

讃美歌

表紙を開けたところに貼ってある紙を見る

交読文

立ったまま

唱える

讃美歌

真ん中やや後ろの楽譜のない部分 

讃美歌

立ったまま

歌う

讃美歌

式次第の番号と同じところを歌う

聖書朗読

着席して

聴く

聖書

式次第にある、文書・章・節のところ

祈祷

座ったまま

祈る

(目を瞑る)

両手を組んで、祈りの姿勢をとる

奉献

座ったまま

献げる

椅子の下

前の椅子の下にある小さな台に、小さな封筒がある。そこに任意の金額を入れ、回ってきた箱に入れる

座ったまま

歌う

讃美歌

547番 真ん中あたりにある

讃美歌

起立して

歌う

讃美歌

式次第の番号と同じところを歌う

説教

着席して

聴く

説教者

講壇の説教者を見て耳を傾ける

祈祷

座ったまま

祈る

(目を瞑る)

両手を組んで、祈りの姿勢をとる

(讃美歌)

座ったまま

歌う

讃美歌

式次第の番号と同じところを歌う

(聖餐式)

座ったまま

聴く・祈る

 

台詞に基づいて進行する儀式。パンやぶどうジュースが出るが、受け取るのはキリスト教の洗礼を受けた人だけ。

讃美歌

起立して

歌う

讃美歌

式次第の番号と同じところを歌う

頌栄

立ったまま

歌う

讃美歌

真ん中あたりを開け、式次第の番号と同じところを歌う

祝祷

立ったまま

祈る

(目を瞑る)

両手を組んで、祈りの姿勢をとる

報告

着席して

聴く

司式者

週報を参照しつつ連絡事項を聴く

後奏

座ったまま

祈る

(目を瞑る)

両手を組んで、祈りの姿勢

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


前奏・後奏

聴くだけ。

礼拝の前後に、オルガン演奏を聴く。祈りの姿勢をとる。

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頌栄・讃美歌

歌う。

最初にオルガンが一通り演奏するので、それを聴き、あとは一番、二番、三番…と、最後まで歌う。

どの曲を歌うかは、番号で示す。まず式次第を見て、その数字に合う歌はどれなのか、讃美歌集から探す。各ページの外寄りに大きく書いてある数字を見る。

なお、数字は最初は1番だが、途中に楽譜のない部分(交読文)があって、そのあとまた1番から始まっているので注意。この後の方は、「第二編」という。式次第に「第二編」と書いてある場合は、この後の方から探す。

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交読文

声に出して読む。

讃美歌集の中で、楽譜のないところを見る。真ん中より少し後のほうにある。

礼拝式次第にある番号と同じ番号のところを読むのは、讃美歌と同じ要領。こちらは、文の切れ目ごとに数字があるので、そこを見る。

字下げされていないところを司式者(つまり、普通の用語でいう司会者)が読み、字下げされているところを会衆(つまり、あなたを含めた参加者)が読む。この例外は「十戒」で、このときだけは全員が揃って唱える

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招詞・祈祷・祝祷

祈る

1.目を閉じて 2.両手を組んで 静かに祈りの言葉を聴く。

祈祷・祝祷では、祈る人が「アーメン」と言ったら、会衆も「アーメン」と言って答える。「アーメン」とは、大雑把に言うと「そうなりますように!」という願いを込めた言葉。

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聖書朗読・説教

聴く。

聖書朗読では、聖書の「何という書」の「何章」の「何節」かが式次第に示されているので、耳で聴くだけでなく、その箇所を開いて読むとよい。聖書の各ページの上のほうを見ると、「何書」というのが示されてあり、そのあとに章の数字が太字(ゴチック)で、節の数字が普通の字体(明朝体)で書かれている。それを目安に探す。文中に現れる大きな数字が章、文頭に現れる小さな数字が節を表す。

説教は、牧師が行う聖書の解説。抽象的な講義ではなく、その日に読んだ聖書の箇所を自分がどう受け止めたか、といった体験を交えて話す。最後に祈祷がある。

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報告

聴く。

事務連絡に近い。式次第の記された紙、「週報」の記述をもとに、連絡事項を確認する。

新しく来た人が、受付でその旨話して名前等を記すと、このときに名前を呼んで紹介し、教会員が拍手で歓迎する。これが嫌だという人は、最初に受付でその旨話しておけば、無理に紹介することはしない。

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起立

立ち上がる。

讃美歌のときには、最初から立つのではなく、歌う前のオルガン前奏が最後の行にさしかかった時に立ち上がる。

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着席

座る。起立する時と違い、すぐに座ってよい。

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祈る

1.目を閉じて 2.両手を組んで 静かに祈りの言葉を聴く。

礼拝のなかで祈りとは、神に話しかける行為とされる。祈りの言葉に共感できれば、信徒でなくとも共に願いを合わせて構わない。共感できなければ、祈りの姿勢をとるだけにして、単に聞いていればよい。

祈祷・祝祷では、祈る人が「アーメン」と言ったら、信徒も「アーメン」と言って答える。「アーメン」とは、大雑把に言うと「そうなりますように!」という願いを込めた言葉。

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唱える

一斉に、書かれた言葉を声に出して読む。

信仰告白等は、気が進まなければ敢えて読まず、聞いているだけでもよい。

なお「生活綱領」を読む時もある。このときは交読文を読まない。

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